創刊号 · 2026年 春
編集部おすすめの本
東京、都市文化、食、暮らしのデザインを深く理解するための書籍を厳選した。記事の背景にある思考の道筋を、この本棚から辿ることができる。
東京を読む
東京の空間人類学
1985陣内秀信
東京の空間構造を「水の都」として読み解いた古典的名著。江戸の水路網から現代の都市形態までを連続的に論じる。路地裏の記事を書く際に何度も参照した一冊。
TOKYO STYLE
1993都築響一
東京のワンルームを撮り続けた写真集。住人不在の室内写真が、東京の住まい方の実態を無言で語る。「小さな部屋」の記事の精神的な出発点。
東京プリズン
2012赤坂真理
東京という都市を舞台にしながら、歴史と記憶の問題を小説の形で追究した作品。都市と記憶の関係を考える際の補助線になる。
都市とデザイン
都市のイメージ
1960 / 邦訳1968ケヴィン・リンチ(丹下健三・富田玲子訳)
人が都市をどのように認識し、心の地図を描くのかを体系化した都市計画の基本書。パス、エッジ、ディストリクト、ノード、ランドマークの5要素は、エリアガイドの構成にも影響している。
人間の街——公共空間のデザイン
2010 / 邦訳2014ヤン・ゲール(北原理雄訳)
歩行者の視点から都市を設計するための実践的指針。自転車と暮らす記事で参照した、移動手段と都市認識の関係を論じた章が秀逸。
wabi-sabi——わびさびを読み解く
1994 / 邦訳2008レナード・コーレン(内藤廣監訳)
侘び寂びの美学を西洋のデザイン文脈で再解釈した小さな本。不完全さを受容する日本の感性を、プロダクトデザインの言語で説明する試み。
食と暮らし
発酵文化人類学
2017小倉ヒラク
発酵を文化人類学のフレームで読み解く。味噌、日本酒、漬物の背後にある微生物と人間の共生関係を、軽快な文体で描く。発酵食品の記事の理論的背景。
暮らしの手帖(雑誌)
1948–暮しの手帖社
広告を一切載せずに続く生活雑誌。商品テストの独立性と、日常を丁寧に記録する編集姿勢は、このマガジンの方向性にも影響を与えている。
珈琲の世界史
2017旦部幸博
コーヒーの歴史を社会史として描いた新書。一杯のコーヒーの背後にあるグローバルな構造と、ローカルな飲み方の変遷を辿る。
トレンドと社会
ファスト&スロー
2011 / 邦訳2012ダニエル・カーネマン(村井章子訳)
人間の意思決定の二重システムを解明した行動経済学の代表作。朝のルーティンの記事で触れた「習慣」と「意図」の区別を理論的に支える。
デジタル・ミニマリスト
2019 / 邦訳2019カル・ニューポート(池田真紀子訳)
テクノロジーとの意図的な距離の取り方を論じた実践書。デジタルデトックスの記事の参考文献の一つ。完全な断絶ではなく、選択的な接続を提案している点が説得力を持つ。
第四の消費——つながりを生み出す社会へ
2012三浦展
日本の消費社会を4段階で分析し、「シェア」と「つながり」を軸にした新しい消費の形を予見した書。Z世代の消費行動を理解する上での基盤になる。
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